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生け花 独学は可能か 〜生け花に関する疑問を解説〜

悩める人
生け花って何?なぜ習う必要があるの?生け花の独学は可能?

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  1. 生け花とは
  2. 生け花を習う理由
  3. 生け花の独学は可能か

この記事を書いている私は草月流の師範資格を持っており、少しずつ人に教える仕事も始めています。
生け花に興味がある方向けに生け花とは、習う理由、独学の可能性についてまとめました。

1.生け花とは

生け花とは何でしょうか。
ここで言うところの生け花とは、日本の伝統文化の一つ華道としての生け花を指します。

生け花の歴史が生け花が何であるかを物語っています。
池坊のHPを元に生け花の歴史を簡潔にまとめると以下の通りです。

①観賞物としての花→②神仏に捧げる花→③室内を彩る花→④教養としての花→⑤洋風の生活様式に合わせた花→⑥芸術表現としての花→⑦?

時代を経るごとに①から順番に進化してきました。
①現代でいうお花見のように自然の中の観賞物として楽しんでいた花。
②その美しい花を神仏にお供えするようになります。
③花がより身近になり、花で居住空間を装飾することが一般的になっていきます。
④美しい生け方の基本花型が教養として広まり、学校教育にも取り入れられます。
⑤文明開化とともに洋風の生活様式(これまでの座敷からテーブル)に合った花型が出来ます。
⑥観賞物、装飾物としての花から芸術作品としての花の可能性を追求しています。(いまここ)
⑦未来の生け花(これから)

皆さんの生け花のイメージとしては④教養としての花が強いかもしれませんね。
敷居が高く、堅苦しいものと思われているかもしれません。

流派でいうと、池坊は④、小原流は⑤、草月流は⑥にそれぞれ強みがあります。
さて、あなたにとって興味のある生け花はどれでしょうか。

2.生け花を習う理由

生け花が何かはわかったけれど、そもそも習う必要があるのか疑問に思いますよね。
花なんて誰でも好きなようにいければいい、そのように考える人も多いと思います。

「生け花」を「料理」に変えてみるとわかりやすいかもしれません。

「料理」を習う必要があるのか
→もちろん習わなくても「あなたの料理」として成立します。

「料理」なんて誰でも好きなようにすればいい
→「あなたの料理」としてはOKでしょう。

しかし「美味しく、栄養バランスが良い料理」を作るとなるとどうでしょうか。
調理方法が詳しく書かれた「レシピ」が必要になりませんか?
生け花でも同じことです。
「美しく、バランスの取れた生け花」を作るには、基本となる生け方があります。
それがいわゆる「生け花の基本型(花型法)」なのです。

生け花を習う3つの理由

  1. 誰でも美しく花をいけられる基本型を学ぶ
  2. 正しい生け方を目の前で見ることが出来る
  3. 直接添削やアドバイスを受けられる
  4. 資格(免状)取得のシステム

生け花を習う1つ目の理由は「誰でも美しく花をいけられる基本型」を学ぶことにあります。
生け花の基本型は言い換えれば、花を美しくいける方法を研究した成果とも言えます。
先人たちが試行錯誤しながら追求した答えが生け花の基本型なのです。
どの流派でも最初に基本型を学ぶのは、花を美しくいける方法を最短、最速で身につけるためです。

理由2つ目は、「正しい生け方を目の前で見ることが出来る」点です。
生け花のお稽古では、実際に先生がどういけるのかを間近で見ることが出来ます。
いわば正しい生け方をその場で見られる訳です。
生け花もある種の技術ですから、実際に見た上で実践することが上達の近道です。
そうした経験を増やすことで、短時間で美しい花をいけられるようになります。

次に「直接添削やアドバイスを受けられる」点が挙げられます。
最初の頃のお稽古では、テキストに沿って生け花を学んでいきます。
枝の長さ、花の向き、いける角度、花の組み合わせなど学ぶ要素は沢山あります。
実際に自分がいけた花の細かな点まで先生から直接添削やアドバイスを受けられます。
また生け花の基本型を学んだあとは、自由花と呼ばれるお稽古に移行します。
花材も構成も花器も全てを自由に選び、あなた独自の世界を切り開いていくのです。
基本型のように正解がないからこそ、経験が長い先生にアドバイスをもらうことが重要になります。

最後に「資格(免状)取得のシステム」の問題です。
私が学ぶ草月流では、テキストに沿ってお稽古を進めます。
テキスト1冊が終わってはじめて、修了証書がもらえる仕組みになっています。
この申請はすべて先生を通して行われます。
ですから資格取得を目指す方は必ず先生の元に入門する必要があります。
どの流派でも大体同じような仕組みになっているようです。

3.生け花の独学は可能か

結論から言うと、「生け花の独学は難しい」です。
上記で見てきたすべてのポイントが満たせなくなるからです。

書籍や動画などから得られる情報には限界があります。
特に花型法では、正しい長さ、角度、向きでいけることに意味があります。
自分の生け花を先生にみてもらい、手直ししてもらうことがどうしても必要になるのです。

また生け花に限らず、お稽古ごとには終わりがありません。
一生追求していくものと言えるでしょう。
より良い生花を追求するためには、長年経験を積んだ先生からのアドバイス(指針)が重要となるのです。

生け花の先生になりたい、資格を取っておきたいという場合も、必ずどこかの教室に通う必要があります。
その際には自分はどのレベルの資格を取得したいのかをはっきりさせましょう。
先生の資格より上の資格を取ることは出来ません。
入門する際には先生選びも慎重に行ってくださいね。

結論

まずはあなたがどういう生け花を突き詰めたいのか、それをはっきりさせましょう。
その目的に合った流派で、あなたの目指す生け花を追求してください。

流派の違いや教室選びのポイントが気になる方はこちらの記事をどうぞ。

早速生け花を始めようという方は、こちらの記事を参考になさってくださいね。

以上、「生け花 独学は可能か 〜生け花に関する疑問を解説〜」でした。

 

 

 

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